医療コラム

医療機関の広告担当者必見!獣医師法・獣医療法の基礎を簡単解説!

医療機関の広告担当者必見!獣医師法・獣医療法の基礎を簡単解説!

【2021年更新記事】

今回は獣医師の任務や定義について規定している「獣医師法」、そして飼育動物の診療施設の開設・管理に関わる事項を規定している「獣医療法」の基礎についてご紹介したいと思います。どちらも管轄は農林水産省です。

動物病院関係者様はもちろん、ペットショップやブリーダーなど、ペットの健康に関わるサービスを提供されている皆様には、必見の内容となっていますので、ぜひご覧ください。

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<獣医師法・獣医療法を簡単に理解するポイントまとめ>

▼獣医師以外の者が、診療行為を行ってはいけません(獣医師法)

▼広告できることが明確に定められています(獣医療法)

▼ホームページ制作でも獣医師法・獣医療法に注意が必要!

■獣医師以外の者が、診療行為を行ってはいけません(獣医師法)

まずは獣医師法についてご説明します。獣医師法は、獣医師全般の職務・資格などに関して規定した法律です。その目的、定義については、総則に記載されています。

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(獣医師の任務)

第1条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。

(定義)

第1条の2 この法律において「飼育動物」とは、一般に人が飼育する動物をいう。

(名称禁止)

第2条 獣医師でない者は、獣医師又は、これに紛らわしい名称を用いてはならない。

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獣医師法という名称から、一見獣医師についてのみ定義した法律だと思われがちですが、第2条に記載されているように、獣医師以外の者が獣医業の領分に侵入しないよう規定するものでもあるのです。獣医師法においては、名称使用の禁止だけでなく、獣医業の行使についても下記のように定めています。

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第4章 業務

(飼育動物診療業務の制限)

第17条 獣医師でなければ、飼育動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る。)の診療を業務としてはならない。

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つまり、獣医師以外の者が診療を行った場合、獣医師法違反として罰則を受けることになるのです。では、例えば次のようなケースの場合、罰則の対象になると思いますか?

●自分の飼っている猫が軽いケガをしたので、ガーゼを当てた。

これは、獣医師法違反にはなりません。その動物の所有者であれば、憲法における財産権によって違法性はないと判断されるからです。ただし、あくまでも軽微な手当・予防などに限ります。その行為によって動物に何らかの悪影響を与えた場合は、虐待と判断され、動物愛護法などにも抵触してしまう可能性も。ケガや具合の程度により、獣医師の診断を受ける必要があります。

【注意】

ペットショップやブリーダーといった、自身が永続的に所有するのではなく、一時的に飼育している動物に対しての診療行為は、軽微なものであっても、獣医師法違反となる可能性があります。他者の求めに応じて、診療行為を繰り返すことなどももちろん違法となるのでご注意ください。

なお、飼育動物の中には、爬虫類や魚類は含まれません。そのため獣医師以外の者が診療を行っても、獣医師法違反にはなりませんが、公衆衛生上の観点から獣医師の判断を仰ぐことをおすすめします。

■広告できることが明確に定められています(獣医療法)

獣医療法が定められた目的は、下記の通りです。

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第1条 この法律は、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とする。

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このように、獣医療法では、診療施設(動物病院)の開設(開業)・変更・廃止について、診療施設の構造設備の基準について、診療施設の管理方法についてなど、飼育動物が適切な医療を受けられるよう細やかに定められているのです。

その中でもとくに注目すべきなのが、広告の制限に関する項目です。

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(広告の制限)

第17条 何人も、獣医師又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない。

一 獣医師又は診療施設の専門科名

二 獣医師の学位又は称号

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本条の主旨は、誇大な広告を行うことで、

専門知識を有さない飼育者を惑わし、不測の事態を避けるためとされています。

つまり「どんなに重い症例でも絶対に完治します!」「○○動物病院に10年以上勤続していた経験豊富なドクターが診療します!」といった、誇大な表現や技能・療法・経歴に関する広告を行うと、獣医療法に抵触してしまうことに…。

上記にある通り、「学位」または「称号」、「専門科(エキゾチックアニマル科、うさぎ専門科など)」に関しては、技能・療法・経歴に該当しないため掲載可能です。

■ホームページ制作でも獣医師法・獣医療法に注意が必要!

獣医療法における広告規制は、獣医師の方だけでなく、その依頼を受ける、広告代理店、出版社、デザイン会社、新聞社の方も規制の対象となります。広告作成の際は関連法規に対する配慮が必要不可欠です。

ホームページは、現時点では広告と定義されていないものの、監視強化の動きは進み続けています。誰もが気軽にアクセスできるからこそ、正しく公平な情報を掲載する必要があるのです。

「法律に抵触せず集患につなげたい…」「どうやって他院との差別化を図ったらよいかわからない」という動物病院の院長様、またペットショップやブリーダーといった動物の健康に関わるサービスの事業者様は、Medical Web Stage(メディカルウェブステージ)へご相談ください。各種法律に詳しいライターが、お客様のホームページ制作やリニューアルをお手伝いいたします。

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