医療コラム
歯科ホームページ作成と厚労省ガイドライン(重要)よくあるQ&A

歯科医院のホームページ作成では、競合との差別化も大事ですが、厚生労働書ホームページガイドラインへの対応も重視されています。
歯科医院を含む医療機関は、法規に沿ったホームページ作成が義務とされますので、これからホームページを作成する歯科医院の方や、長年ホームページを改修されていない方は、ぜひこちらの記事をご参考になさってください。
※歯科集客に役立つ記事はこちらのページでまとめています。よろしければご覧ください。『歯科医院の集客・集患に効果的な方法と、気を付けるポイント(まとめ記事)』
さて、以前のコラム「平成30年度ネットパトロール結果」でご紹介したとおり、2019年6月に「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」が開催され、ネットパトロールにおける医療機関ホームページの審査対象事案の内訳が報告されました。
その報告によると、厚労省のネットパトロールで審査対象(違反の可能性)とされた歯科医院は、2017年度の178件から、2018年度は972件と約5倍に急増。
歯科医院の審査対象数が増えた要因の一つとして、美容系医療に次いで自由診療となる治療が多いことが考えられるため、多くの歯科医院でホームページの見直しをする必要が生じています。
このような背景もあって、メディカルウェブステージには「当院のサイトは大丈夫?」「ホームページを依頼したいけど、こんな内容は載せられる?」など、医療広告ガイドラインに関するお問い合わせをいただくことが多くなってきました。
歯科医院のお客様から寄せられる、ホームページ作成に関する疑問ついて解説いたします。
▶歯科医院向けホームページ制作サービスについてはこちら
その他、歯科医院様向けのコラムはこちら
歯科医院におすすめしたいホームページ作成7つのコツ(集患編)
患者様の口コミ・感想は、医療機関のホームページに掲載できません。
<第一章>歯科医院のための「医療広告ガイドラインに基づくホームページQ&A」
■ホームページ上で、「審美歯科」「インプラント科」は使っても良い?
■所属学会の認定医・専門医である旨はインターネットで広告できる?
<第二章>ネットパトロールの結果と歯科医院のホームページ
<第一章>歯科医院のための「医療広告ガイドラインに基づくホームページQ&A
■ホームページには、矯正の治療前後の写真は掲載できない?
矯正歯科に限らず、どの科目であっても、治療前後や治療後の「写真のみ」を掲載することは禁じられています。
では、どのような条件を満たせば載せられるのでしょうか。
写真それぞれについて、
1.通常必要な治療の内容
2.費用
3.治療の主なリスク
4.起こりうる副作用
といった詳細事項を、写真の直下などに分かりやすく掲載しなくてはなりません。
なお、リスクや副作用といった患者様からみて不利益になる情報を、小さすぎる注釈で説明する・別ページに掲載するなど、分かりづらい表示にすることは禁じられています。
■ホームページ上で、「審美歯科」「インプラント科」は使っても良い?
使用できません。
ホワイトニング科、矯正センター、歯周病科なども同様です。
歯科に関して、医療法で許可されている診療科名は、2020年2月現在で以下の4つです。
歯科
小児歯科
矯正歯科
歯科口腔外科
これら以外を診療科名として案内することは原則認められていません。
なお、この4つから組み合わせた「小児矯正歯科」などの診療科名は、使用可能です。
■なるべく痛くない治療をしているとホームページで伝えたい。
表現に注意すれば、掲載することができます。
「絶対に痛くない麻酔」
「痛みのない治療を行います」
これらは、医療法はもちろん、景品表示法にも抵触する可能性のある表現です。
主観的な内容が、あたかもすべての患者様に該当するかのような表記は、掲載できません。
「細い針を使った、従来よりも痛みの少ない麻酔」
「痛みの少ない治療を心がけています」
上記のような、客観的な事実、または貴院の方針を伝える表現であれば、掲載できます。
■ホームページに、インプラントについて掲載する方法。
自由診療なのか、国内で承認を得ているか(国内未承認の場合、海外承認済みか)などによって、掲載に必要な情報が変わります。
日本で承認されたインプラントであれば、一定の条件を満たしている場合を除き、いわゆる自由診療となります。
ホームページには
1.保険外の治療(全額自己負担)であること
2.治療にかかる標準的な費用
上記2点の掲載が必要です。
日本未承認のインプラントを使用する場合には
1.未承認医薬品等であることの明示
2.入手経路等の明示
3.国内の承認医薬品等の有無の明示
4.諸外国における安全性等に係る情報の明示
が必要です。
※詳細は、こちらのQ2-13をご覧ください。医療広告ガイドラインに関するQ&A
■ホームページ内に載せるお客様の感想ページは絶対無理?
現在は、絶対載せられないわけではありませんが、おすすめもできません。
掲載が不可とされるのは、「患者様の主観または伝聞に基づく、治療の内容や効果に関する内容」です。
似たような症状でも、同じ治療や治療結果になるとは限らず、患者様に誤解を与えないようにするためです。
感想として掲載できる内容が非常に限られているため、通常の広告で禁じられているのはもちろんホームページでも規制の対象になります。
無理に感想を掲載するよりも、貴院の魅力を別の形で訴求する方が、ホームページの集患力の向上につなげられるでしょう。
■SNSを活用したプレゼントキャンペーンをしたい。
ホームページよりも手軽に情報発信できる、SNSのアカウントを患者様にフォローさせることで、プレゼントを行っている医療機関を見かけたことはありませんか?
患者様の誘引のためのキャンペーンは、医療広告ガイドラインで禁じられています。
ホームページ上でSNSを使ったプレゼントキャンペーンを告知することは、患者様の誘引と捉えられるため止めましょう。
なお、通院されている患者様に向けて、SNSで情報発信している旨をお知らせすることは問題ありません。
■所属学会の認定医・専門医である旨はインターネットで広告できる?
場合によっては可能です。
まずは、活動実態のある学会でなければなりません。
また、ただ単に○○認定医・△△専門医などと表現することは禁じられています。
正確に、「□□学会認定○○専門医」と認定団体の名称と資格名を掲載することが求められます。
<第二章>ネットパトロールの結果と歯科医院のホームページ
歯科医院のホームページ作成において、注意すべき表現・ポイントはお分かりになったと思います。
しかしながら現状は厳しいもので、前述した「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で報告された、平成30年度の審査対象事案の内訳を見ると、平成30年度では、一般病院などを含めた全対象のうち、歯科医院の割合が約54%という驚くべき結果になっていました。
ホームページガイドラインでは、歯科医院が警告を受ける傾向が高いようなので、さらなる注意が必要ですね。
最後に、ネットパトロールの現状・将来と、歯科医院のホームページにおける注意すべき内容をまとめてご紹介したいと思います。
■平成30年度のネットパトロールの結果と内訳の考察
審査対象になるのは、医療機関ネットパトロールのホームページから一般の方に通報された場合と、キーワード検索によるパトロールで「違反の疑いあり」と確認された場合です。
以下は、今回公表された審査対象の内訳件数です。
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平成29年度(件数) / 平成30年度(件数)
美容関係: 237 368
歯科 : 178 972
癌関係 : 144 184
その他 : 119 277
合計 : 678 1,801
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参考資料:
歯科の審査対象数が、去年に比べて5倍以上に増えています。
審査対象となる全体の件数がほぼ3倍に増大していることから、単に一般からの通報が増えただけでなく、医療機関ネットパトロールそのものの周知が進んでいることがうかがえます。
また、委託業者が経験を積み、幅広く検索できるようになったことも、審査対象の増加理由と考えられるでしょう。
平成30年度の審査対象1,801件のうち、実際に「違反の疑いがある」として日本消費者協会が通知したのは690件(1,191通知)でした。
通知の内訳については公表されておらず、はっきりとは分かりませんが、審査対象の件数が増えているため、歯科医院への改善通知も増えたであろうことが想像できます。
さらに、審査対象となった歯科医院が増えた要因として
・医療広告として大きく問題視されていた美容医療関係の通知と改善が進んだ
・美容以外の医療機関についての調査が増えた
・矯正歯科や自費診療は、掲載の基準が複雑で、ガイドラインに抵触しやすい
といったことが考えられます。
■医療機関ネットパトロールの今後
ホームページやネット広告で違反があると認められる場合は、厚生労働省が委託した日本消費者協会から「医療法などの違反の疑いがある」という通知が送られます。
なお、その通知には「どこがどのように違反しているか」は記載されていないようです。
これに関して、6月の検討会において、改善の提案がなされました。
・厚生労働省のクレジットで送付する
・「医療広告ガイドラインに抵触している」と明記する
・「どの表記がガイドラインのどこに抵触しているか」分かる資料を付ける
これまでよりも通知の重要性を伝え、修正しやすくなるよう、違反表記への対策が練られています。
また、現在は公表されていませんが、「どのような違反があったか」といった具体的な内容について、今後まとめる方向で話が進んでいます。
具体的な違反一覧などが公表されれば、ホームページを作成する際にも参考にしやすくなるでしょう。
■今後を見据え、歯科医院が気を付けるべきコンテンツ
では、ホームページを所有する歯科医院は、具体的にどこに気を付ければいいのでしょうか?
ここからは、注意したいコンテンツを簡単にご紹介いたします。
1.治療や矯正の写真(Before Afterのほか、治療後の写真なども含む)
治療内容と合わせて、考えられるリスクや副作用・合併症などを説明すれば掲載することが可能。
2.患者様の声や感想
個人の主観による患者様の感想や体験談について、治療内容や治療結果に関することは掲載禁止。
3.自由診療
治療の概要・通常の費用・リスクや副作用を一緒に掲載することが必要。
なお、詳細については冒頭でもご案内した別途コラムでも掲載しております。
歯科医院様向けのコラムはこちら
歯科医院におすすめしたいホームページ作成7つのコツ(集患編)
患者様の口コミ・感想は、医療機関のホームページに掲載できません。
私どもメディカルウェブステージでは、法規チェックなどの適正診断を、簡易的なものであれば無料で承っています。
「ネットパトロールで審査対象にならないためにはどうすればいい?」
「ホームページを作りたいが、医療広告ガイドラインを確認する時間がない…」
「競合に勝てるホームページって作れる?」
など、
歯科医院のホームページ活用や法規のご相談は、お気軽にMedical Web Stage(メディカルウェブステージ)へお問い合わせください。
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