医療コラム
「医療広告ガイドラインに関するQ&A」から見るホームページの具体策
医療法が改正されたことを受け、医療広告ガイドラインが提示されました。
【2021年更新記事】
前回のコラムに続き、今回は医療広告において禁止されている表現と、限定解除(条件を満たすと可能になる表現)についてご紹介します。
(総合記事)医療広告ガイドラインに関するまとめ記事はこちら。
リスティングやバナーといったWeb広告と、医療広告ガイドライン
<医療広告における禁止表現と限定解除とは>
<医療広告の禁止表現一覧>
上記のコラムでも紹介しているため、詳細は割愛しますが、禁止されている広告表現は以下の通りです。
・広告が可能とされていない事項の広告
・虚偽広告(うその内容など)
・比較優良広告(他院との比較など)
・誇大広告(大げさな表現・誤解を与える表現など)
・公序良俗に反する広告(医療法をはじめとした様々な法律に違反する表現など)
・患者やその家族などの体験談(治療内容やその感想など)
・治療前後の写真(治療後のみ、治療前のみでも同様)
これらの表現は、いずれも患者に不利益を与える可能性があるため、禁止されています。
しかし、一定の条件を満たす場合には、広告可能と認められた事項以外の情報も、限定解除として広告できる場合があります。
※限定解除の要件を満たしても、虚偽の内容は掲載できません。
<医療広告の限定解除について>
まず、掲載情報について患者が問い合わせられるよう、電話番号といった医療機関の連絡先を記載することが求められます。
予約専門や自動音声のみの電話番号、問い合わせに対する返答が行われない自動返信のみのメールアドレスなどは、問い合わせ先と認められません。
禁止広告のうち、治療前後の写真については、必要な情報があればサイトに掲載可能です。
規定に沿うには、写真と一緒に、通常必要な治療の内容や、費用に関する情報、治療の主なリスク・副作用などといった詳細な説明を掲載しなければなりません。
自由診療に関してもルールが提示されており、料金などに関する消費者トラブルを防止する観点から、治療にかかる標準的な費用のほか、メリットだけではなくリスクや副作用なども併せて掲載することと定められています。
美容医療や、歯科医院のインプラント治療など、多くの医療機関で自由診療のメリットのみが掲載されていますが、デメリットも明示することが必要です。
<限定解除の必要事項は分かりやすく表示してください>
施術前後の写真や自由診療に関する情報提供として、通常必要な治療内容や金額・リスクなどを極端に小さい文字で表示したり、リンク先の別ページで掲載したりする形式は、患者が見落とす恐れがあるため認められていません。
あくまでも、本文として分かりやすく提示すべきとされています。
また、患者の申し込みに応じて情報を発信するメールマガジンやパンフレットなどについても、ウェブサイト同様に医療広告ガイドラインが適応されます。
「チラシや看板といった通常の広告とホームページだけ、ガイドラインに沿っていればいい」というわけではないため、ご注意ください。
限定解除をより詳しく知りたい方は、厚生労働省が提供している「医療広告ガイドラインに関するQ&A」をご覧いただくと、具体的な内容が掲載されています。
※上記リンクは、2021年6月現在において閲覧可能です。ページ構成の変更や法改正などが行われた場合、閲覧できなくなる可能性があります。
患者に有用な情報を提供する手段として、新たに導入された「限定解除」。複雑な規定のため、これでよいのか判断に迷うことは少なくないでしょう。
「この内容は、限定解除の要件を満たせば掲載できるのか」
「限定解除できると聞いたが、必要な情報はどのように掲載すればいいの?」
と迷われる方は、私たちMedical Web Stage(メディカルウェブステージ)までお問い合わせください。
医療広告ガイドラインを熟知したライターが、ガイドラインに則った文章を作成することで、貴院のホームページ作成をお手伝いいたします。
それに伴い、具体的な考え方の例を厚生労働省がまとめたものが、「医療広告ガイドラインに関するQ&Aについて」という資料です。
このQ&Aは、平成30年8月に作成・公開され、さらに同年10月改訂されました。
Q&Aの内容は大きく5項目に分かれています。
・広告の対象となる範囲
・禁止表現
・広告可能事項と限定解除
・相談および指導方法
・その他
10月の改訂版には、全部で80の質問と回答が掲載されています。
医療広告ガイドラインに関係する最近のコラムはこちら
リスティングやバナーといったWeb広告と、医療広告ガイドライン
今回は、改訂された部分のほか、気になるQ&Aをもとにホームページ作成における注意点などをご紹介したいと思います。
<Q&Aとホームページ>
2018年10月の改訂では、誤字などが修正されたほか、「広告の対象となる範囲」のQ&Aが1つ追加されました。
追加されたQ&Aは、まとめると以下のような内容です。
Q.WEB上に、「治療や効果に関する患者様の体験談」を掲載できますか?
A.医療機関のホームページには掲載できません。第三者のサイトなどにおける経験談は、医療機関が依頼していなければ規制の範囲外なので掲載できます。
患者様の体験談としてホームページで該当するのは、「お客様の声」といったコンテンツです。
治療の内容や効果に関する体験談は、それを見たほかの患者様に「同じように治る」と誤解を与える可能性があります。治療やその効果は、当然ですが患者様ごとに異なります。そのため、治療内容やその効果を示唆する内容は掲載できません。
医療機関が関わっていない、たとえば複数の病院を紹介している情報サイトの口コミや経験談などについては、基本的に「個人の感想であって誘引性はない」とされています。なお、第三者のサイトであっても、医療機関から体験談の投稿や編集を依頼した場合などは「誘引性がある」と判断されます。
では、「お客様の声」を全く載せられないのでしょうか?
実は「治療の内容やその効果」以外の内容であれば、ホームページに掲載可能です。メディカルウェブステージへご依頼いただければ、貴院にとって適切な表現を提案することができます。
お客様からよくいただくご相談をもとに選んだ、医療広告ガイドラインに関するQ&Aをご紹介します。なお、質問と回答は要約してあります。
Q.「最良の医療」「最上の治療」などの表現は可能ですか。
A.掲載不可能です。
「最上」や「最良」は、ほかの医療機関と比較したうえで優れているという、「比較優良広告」に当たるため、規制されています。
また、「最先端」「最適」「最新」といった表現も、誇大広告として景品表示法に違反しますので、当然使用できません。
Q.診療風景などの写真はホームページに掲載できますか。
A.可能な範囲内であれば載せられます。
たとえば、病室や待合室・医療機器といった設備などのほか、患者様の診療・治療風景の写真も掲載できます。
ただし、患者様に誤解を与える可能性のある「治療の前後」の写真については、治療の効果を思わせるため、説明無く載せることはできません。『医療広告の禁止表現』でもご紹介した通り、写真と一緒に、通常必要な治療の内容、費用に関する情報、治療の主なリスク・副作用といった詳細な説明を記述すれば、限定解除として掲載することが可能です。
改訂された「医療広告ガイドラインに関するQ&Aについて」は、厚生労働省のページからPDFをダウンロードすることができます。
ある程度具体的な質問・回答が列挙されており、WEBにおける掲載の可否を提示しているので、「この内容を載せられるのか」といった疑問を解決できるでしょう。
しかし、先述のとおり、全部で80問もあるため、知りたい質問を探すのは非常に手間です。さらに、掲載できる表現は一部しか示されておらず、この資料を読むだけでガイドラインに完璧に沿ったホームページを作成できるとは言えません。
「医療広告ガイドラインを守った表現で、正しく情報を伝えられるホームページを作成したい」とお考えでしたら、ぜひMedical Web Stage(メディカルウェブステージ)にお問い合わせください。
ガイドラインを熟知したライターが、規制に従いながら貴院の魅力を伝える文章を作り、ホームページの訪問数アップや周知をサポートいたします。
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