医療コラム
不当景品類及び不当表示防止法(以下:景品表示法)は、当コラムでも度々ご紹介しているように、一般消費者を不当表示から守るために定められた法律です。
もちろんあらゆる商品、サービスの広告において、配慮すべき法律ではあるのですが、有料老人ホームに関するPRを行う際には一層注意しなくてはなりません。
有料老人ホームは、下記の5点を理由に内閣総理大臣によって「消費者に誤認されるおそれのある表示」として指定されています。
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☆有料老人ホームが誤認を招きやすい5つの理由
・高額の費用が必要となるケースが多いこと
・サービスの性質上取引が長期にわたってしまうこと
・消費者からの契約解除の申し出が困難なこと
・利用者の状況に応じて提供サービスの内容が変化すること
・契約段階でサービス全体の内容がわかりにくいこと
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今回から2回に分けて、有料老人ホームに関する取引を適正化するために制定された「有料老人ホームに関する不当な表示」に基づく広告規制についてご紹介していきます。
景品表示法では、ホームページも規制の対象となりますので、新たなサイト作成やリニューアルをお考えの施設責任者様、ご担当者様はぜひご参照ください。
<不当な誘引は絶対NG!有料老人ホーム告示における規制とは?>
■土地・建物・居室・施設・設備などに関する記載について
利用者の不当な誘引を防ぐために、施設・設備など、建物に関する表示は、明瞭であることが求められます。では、具体的にどのような表示が不当表示とされるのでしょうか。
(例1)
「富士山の見える部屋で生活できる」と表示した場合。
⇒富士山を確認できるのは、一部の部屋のみだった。
あたかもすべての居室から、富士山が見えると誤認させるおそれがあります。富士山を見ることができない部屋になる可能性がある場合は、そのこともしっかり記載しておかなくてはなりません。
(例2)
「プールやジムで毎日汗を流しませんか」と謳った場合。
⇒敷地内に該当施設が存在しない、または使用するごとに料金が発生する。
このように紹介すると、敷地内にあるものと誤認させたり、使い放題といったイメージを与えたりする可能性があります。敷地内に当該施設が存在しないケースや、利用するごとに費用が発生するケース、また、ホームが運営しているのではない施設を利用する場合には、そのことを必ず明記しましょう。
(例3)多目的室や食堂の写真をそれぞれに掲載。
⇒あたかも別々の部屋があるように掲載しているが、2つの部屋は同じ部屋だった。
建物の構造などに関する説明は、わかりやすく、かつ誤解なく伝えることがポイントです。呼び方は違えども、同じ空間を使用しているのであれば、別々の部屋という誤認を招かないように記載する必要があります。
(例4)
入居後に下記のような事例が想定されるのにも関わらず、明示していない。
・住み替えが発生することがある
・それにより占有面積が減少する
・入居時の居室の権利が変更・消滅する
・追加費用が発生する
・占有面積減少に伴う調整が行われない など
利用者の身体的な状態などに合わせて、居室の変更などが発生する場合は、必ず契約前にわかるよう、はっきりと記載しておきましょう。
また、ホームの敷地や建物が、管理者所有のものでないのにも関わらず、その旨を記載していない場合も、景品表示法違反となります。
■介護サービスなどに関する記載について
どのようなサービスを提供しているかは、同業他社との違いをアピールする上で重要なポイントですよね。アピールするのは問題ありませんが、下記のようなケースには気を付けましょう。
(例1)「何かあってもすぐに病院で医療が受けられます」と表示。
⇒医療機関がすぐ近くにあるというだけで、とくに提携しているわけではなかった。
医療機関の写真の掲載や、提携を謳う場合は、具体的にどのような協力体制を敷いているかを記載しなくてはなりません。また、費用負担はあるのかも忘れずに。当該施設から近いという理由だけで、無関係の医療機関をあたかも協力関係にあるかのように謳うのはNGです。
(例2)「生涯介護」「最後までお任せください」などと謳った場合。
⇒認知症などが進行した場合、施設を出なくてはならなかった。
利用者の状況によって、最後までサービスを受けることができなくなる可能性がある場合は、そのことをしっかり掲載してください。「最後まで」と書いてあるから申し込むという利用者は多いもの。利用者がしっかりと判断できるよう、適正な表示を行いましょう。
また、入居した老人ホームが介護サービスを行うのではなく、利用者が外部の訪問介護事業者と契約する必要がある場合も、明瞭に記載するよう定められています。
■今のホームページの掲載内容に不安のある方は…
有料老人ホームはサービスの性質上、どうしても誤解や誤認を招きやすく、適正な表現を行うのが難しい事業です。
今回ご紹介したのは、ほんの一部ですが、Medical Web Stage(メディカルウェブステージ)には、各種法律に詳しいライターとWEBのプロが在籍しています。景品表示法を遵守しながら、効果的なホームページを作成したい施設責任者様、ご担当者様はぜひお問い合わせください。
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