医療コラム

2017年7月14日、消費者庁より「打消し表示に関する実態調査報告書」が公表されました。
この調査は、消費者庁が2016年10月31日から2017年3月31日までの期間、打消し表示が含まれる表示物(動画・WEB・紙面)を収集・整理・分析したもの。この結果を受け、一般消費者に対する意識調査を行い、打消し表示の表示方法、打消し表示の表示内容、体験談を用いた表示例などにまとめ、打消し表示を用いる際に景品表示法上問題にならない表記を行うよう呼びかけています。
当コラムでは、医療機関ホームページにおける打消し表示を中心に、この調査結果を解説していきたいと思います。ぜひ今後のホームページ制作にお役立てください。
<徹底読解!景品表示法に配慮した打消し表示とは…?>
■そもそも打消し表示ってどんなもの?
打消し表示とは、ありていに言うと「注意書き」のことです。
皆様も、大きく強調された表示の下に、
「※個人の感想であり、効果には個人差があります。」
「※○○プランにお申し込みいただいたお客様限定のサービスです。」
「※別途オプション料金が発生します。」
といった補足の文章が書かれているのを見たことがあるのではないでしょうか。
これが打消し表示です。
商品やサービスの概要をPRする際に、それによって「誰であっても絶対に効果が得られる」「無条件でお得な特典サービスを受けられる」と消費者に誤解させないようにするために欠かせない記述となります。
ただし、打消し表示さえ掲載していれば大丈夫というものでもありません。そもそも、打消し表示を掲載せずとも、誤解させないことが大前提です。強調表示なしでは商材の魅力を十分に伝えられないというケースには、打消し表示を適切に掲載し、消費者に誤解を与えないよう配慮しましょう。消費者を誤認させるおそれがあると判じられた場合、景品表示法違反となります。
■医療機関ホームページにおける打消し表示の注意点
医療機関関係者様の場合も、サプリメントや健康器具などをホームページ上でPRする際には、以下の表示方法に注意が必要です。
<体験談を用いた表示(痩身効果など)>
・データおよび体験談のねつ造・改竄は、景品表示法NG!
体験談自体を自身で作成したり、関係者に執筆を依頼したり、また体験談の中から都合のいい部分のみ抜粋したりして、マイナスの意見を公開しないのは「不当表示」に当たります。
・「※効果には個人差があります」では不十分!
打消し表示を掲載していても「大体の人に効果がある」と思わせた場合は、「不当表示」となります。掲載の際には一般消費者の視点を大切にすることも重要です。
・その他療法との併用および特定条件が必要な場合はその旨を明記!
あたかもそのサプリメントを摂取するだけで、あるいは健康器具を使用するだけで効果が得られるように表記しておきながら、実際は食事療法、運動療法、薬物療法などとの併用が必要なケースや特定の条件(例:BMI の数値が25 以上)を満たす人にしか効果が得られないケースは、その旨をしっかりと記載する必要があります。
消費者庁は、一般消費者の誤認を招かないために記載が必要な事項として、下記の3点を挙げています。
【一般消費者の誤認を招かない体験談にするためには】
(i)被験者の数およびその属性
(ii)そのうち体験談と同じような効果・性能を得られた割合
(iii)体験談と同じような効果・性能を得られなかった割合
また、「痩せるなどの効果・効能が学問上明らかになっていない場合に、客観的な裏付けがあると誤認させること」なども違反の対象となりますので、掲載時にはご注意ください。
■アンケート結果から見るこれからの打消し表示
今回、消費者庁が一般消費者に行った意識調査によると、一般消費者の大半がこれらの「打消し表示を見落としている」とのこと。
理由として多かったのは下記の2点です。
(i)打消し表示の文字が小さいため
(ii)強調表示の文字だけ目に入り、打消し表示に気づかなかった
この結果を踏まえ、消費者庁は一般消費者が見落としてしまうような「不適切な打消し表示」は、景品表示法違反となるおそれがあるという考えを示しました。
【景品表示法上問題となるかどうかの判断基準(WEB媒体のみ)】
・打消し表示の文字の大きさ
・強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス
・打消し表示の配置箇所(WEBの場合両者の間が1スクロール以上離れていないか)
・打消し表示と背景の区別がつくか
掲載の際は、上記の判断基準をもとに、景品表示法に抵触しない表示方法にする必要があります。わかりやすく、見やすい表示を心がければこれらの諸条件はクリアできるはずです。
■消費者に誤解を与えないホームページにするには…?
健康食品やサプリメントの取り締まりは今後一層厳しくなっていくことが予想されます。打消し表示はなるべく使用しない、使用する場合は表示内容・表示方法・デザインなどすべてに気を配らなくてはなりません。
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